本日も行政書士ピース法務事務所のブログをご覧いただきありがとうございます。代表行政書士の川本将太郎です。
特定技能外国人を採用するとき、「外国人本人が試験に合格しているので、あとは入管へ申請書を出せばよい」と思われることがあります。
しかし実際の特定技能1号の在留申請では、外国人本人の要件だけでなく、受入れ企業(特定技能所属機関)の適格性、雇用契約、支援計画、登録支援機関との委託関係、自治体との連携、分野別の要件まで確認する必要があります。
また、登録支援機関の方からも、「支援業務は自社で行うが、在留資格申請の書類作成や申請取次は行政書士に任せたい」「複数の受入れ企業の申請を継続して外注したい」というニーズがあります。
この記事では、石川県・金沢市を中心に特定技能外国人を受け入れる企業様、登録支援機関様に向けて、2026年10月1日時点の制度をもとに、特定技能1号の在留資格申請の流れ、必要書類の考え方、企業・登録支援機関・行政書士の役割分担を実務目線で整理します。
この記事の情報について
特定技能制度は、提出書類・届出・分野別運用・支援体制などの変更が比較的多い制度です。本記事は2026年10月1日時点で公表されている出入国在留管理庁等の情報を確認して作成しています。実際の申請では、必ず申請時点の最新の提出書類一覧・運用要領・分野別資料をご確認ください。
- 企業・登録支援機関向けに、特定技能1号の申請を整理すると
- こんな企業様・登録支援機関様からのご相談を想定しています
- 特定技能1号の在留申請は「本人・企業・分野」の3方向から確認します
- 企業が初めて特定技能外国人を受け入れるときの流れ
- 登録支援機関と行政書士は、どう役割分担するとスムーズ?
- 登録支援機関から行政書士へ依頼するメリット
- 特定技能の申請でよくある「書類があるのに進まない」原因
- 許可後も終わりではありません|定期届出・随時届出
- 2027年4月から支援体制の要件が変わります
- 2026年10月1日から在留資格変更・更新の手数料が変わりました
- 石川県・金沢市で特定技能の申請をご検討の企業様・登録支援機関様へ
- 参考にした主な一次資料
企業・登録支援機関向けに、特定技能1号の申請を整理すると
特定技能1号の受入れでは、大きく分けて次の3者が関わります。
| 立場 | 主な役割 |
|---|---|
| 特定技能所属機関(受入れ企業) | 外国人との雇用契約、適正な報酬・労働条件の確保、支援計画の作成、各種届出、分野別要件への対応など |
| 登録支援機関 | 受入れ企業から委託を受け、1号特定技能外国人支援計画に基づく支援を実施 |
| 申請取次行政書士 | 在留資格認定・変更・更新等の申請書類作成、必要資料の整理・確認、申請取次など |
この3つは重なる部分もありますが、同じ仕事ではありません。
登録支援機関の職員も、所定の手続・利用者登録等を行うことで在留申請オンラインシステムを利用できる場合があります。一方で、登録支援機関として受託する「支援業務」と、在留資格申請の書類作成・申請取次は、それぞれ整理して考える必要があります。
登録支援機関が受入れ企業から委託された支援業務については、委託を受けた支援業務の全部をさらに第三者へ再委託することは認められていません。通訳人を履行補助者として活用することなどは認められています。
詳しくは、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」をご確認ください。
こんな企業様・登録支援機関様からのご相談を想定しています
- 初めて特定技能外国人を採用するため、何から始めればよいか分からない
- 外国人本人は試験に合格しているが、会社側の必要書類が分からない
- 技能実習・特定活動などから特定技能1号へ変更したい
- 登録支援機関として支援は行うが、在留申請部分は外部へ任せたい
- 複数人・複数企業の特定技能申請を継続して行政書士へ依頼したい
- 入管から追加資料を求められないよう、申請前に書類を整理したい
- 協力確認書や分野別協議会など、在留申請以外の手続まで整理したい
特定技能1号の在留申請は「本人・企業・分野」の3方向から確認します
出入国在留管理庁の現在の提出書類一覧は、特定技能1号について大きく次の3つに分けて整理されています。
| 区分 | 確認する主な内容 |
|---|---|
| 申請人に関する書類 | 旅券・在留カード、技能・日本語要件、健康状態、雇用条件に関する資料など |
| 所属機関に関する書類 | 受入れ企業の概要、役員、労働保険・社会保険・税、雇用契約、報酬、支援体制など |
| 分野に関する書類 | 介護、建設、外食、製造業など、それぞれの分野固有の要件・誓約・協議会関係資料等 |
在留資格認定証明書交付申請と在留資格変更許可申請では、原則としてこの3方向から確認します。
一方、在留期間更新許可申請では、現在の提出書類一覧上、所属機関に関する「第2表」は不要とされるなど、申請の種類によって必要書類が異なります。
また、同一年度内にすでに特定技能外国人を受け入れている所属機関では、一定の企業側資料を省略できる場合があります。複数人を継続的に受け入れる企業では、最初の1件と2件目以降で準備量が同じとは限りません。
最新の提出書類一覧は、出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」で確認できます。
企業が初めて特定技能外国人を受け入れるときの流れ
1.外国人本人の経歴・試験・現在の在留資格を確認
まず、外国人本人がどのルートで特定技能1号の要件を満たすのかを確認します。
技能試験・日本語試験によるルートなのか、技能実習2号の良好修了等による試験免除が使えるのか、現在の在留資格は何か、過去の在留歴に問題がないかなどを整理します。
2.受入れ企業・事業所が分野の要件を満たすか確認
特定技能は「外国人本人が要件を満たせば許可される制度」ではありません。
受入れ企業が適切であること、外国人を従事させる業務が対象分野・業務区分に該当すること、報酬等が日本人と同等以上であること、分野ごとの追加基準を満たすことなどを確認します。
3.特定技能雇用契約を締結
労働時間、報酬、業務内容、勤務地、休暇、帰国費用等を含め、特定技能雇用契約が法令上の基準に適合しているか確認します。
4.登録支援機関へ委託するか、自社支援にするか決める
1号特定技能外国人については支援計画の作成・実施が必要です。
受入れ企業が自ら支援体制の基準を満たして支援を実施する方法と、登録支援機関へ委託する方法があります。登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託した場合、受入れ企業は支援体制の基準を満たしたものとみなされます。
5.市区町村へ「協力確認書」を提出
2025年4月1日から、特定技能所属機関と地方公共団体との連携制度が始まっています。
初めて特定技能外国人を受け入れる場合には、特定技能雇用契約を締結した後、在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請を行う前に、原則として外国人が活動する事業所所在地と住居地の市区町村へ協力確認書を提出します。
既に特定技能外国人を受け入れていた企業についても、2025年4月1日以降最初の変更・更新申請の前に必要となる取扱いがあります。
詳しくは、出入国在留管理庁「地域の共生施策に関する連携Q&A」をご確認ください。
6.分野別の協議会・追加手続を確認
協議会への加入時期や提出資料は、分野によって異なります。
例えば介護分野では、現在は在留諸申請を行う前に「介護分野における特定技能・育成就労協議会」の構成員となり、入会証明書の発行を受ける必要があります。
介護分野については、当事務所の「石川県・金沢市の特定技能1号(介護)の要件・必要書類・申請手続」で詳しく解説しています。
7.支援計画を作成する
1号特定技能外国人支援計画は在留申請時に提出します。
支援計画には、事前ガイダンス、出入国時の送迎、住居確保・生活契約支援、生活オリエンテーション、公的手続への同行、日本語学習機会の提供、相談・苦情対応、日本人との交流促進、転職支援、定期面談などの義務的支援が含まれます。
2025年4月以降は、市区町村が実施する共生施策も確認し、それを踏まえた支援内容を支援計画へ反映することが求められています。
8.在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請
海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書交付申請、日本国内ですでに別の在留資格を持つ外国人が特定技能へ移行する場合は在留資格変更許可申請が中心になります。
申請取次行政書士へ依頼する場合は、必要書類の整理・申請書作成から入管への申請取次までまとめて依頼することができます。
登録支援機関と行政書士は、どう役割分担するとスムーズ?
| 業務 | 受入れ企業 | 登録支援機関 | 行政書士 |
|---|---|---|---|
| 採用・雇用条件の決定 | 中心 | 助言・連携 | 申請要件との整合確認 |
| 支援計画の実施 | 自社支援の場合に実施 | 委託を受けた範囲で実施 | 通常は支援実施主体ではない |
| 必要資料の収集 | 企業資料を準備 | 支援関係資料を準備 | 必要資料を整理・案内 |
| 在留申請書類の作成 | 情報提供 | 情報提供・連携 | 受任範囲に応じて作成 |
| 入管への申請 | 可能 | 所定の要件・手続の下で可能な場合あり | 申請取次行政書士として対応 |
| 許可後の支援・届出管理 | 所属機関として責任 | 支援委託に応じて対応 | 在留・届出手続を別途支援可能 |
登録支援機関へ全部委託しても、受入れ企業の責任がなくなるわけではありません。
支援を登録支援機関へ委託した場合でも、特定技能外国人を雇用する主体は受入れ企業です。雇用契約、適正な活動、各種届出など、特定技能所属機関としての義務は残ります。
登録支援機関から行政書士へ依頼するメリット
支援業務と在留申請を分けられる
登録支援機関は、外国人との面談、生活支援、相談対応、企業との連絡調整など継続的な支援業務を担います。
一方、在留申請では、申請人の経歴、技能・日本語要件、企業の税・社会保険・労働保険関係、雇用条件、分野別資料などを整理し、申請書類として整える作業が必要です。
在留申請部分を行政書士へ切り分けることで、登録支援機関は本来の支援業務へ集中しやすくなります。
複数企業・複数人の継続案件を整理しやすい
同じ受入れ企業で特定技能外国人を継続的に採用する場合、毎回すべての企業資料を最初から出すとは限りません。
同一年度内に特定技能外国人を既に受け入れている所属機関については、一定の所属機関資料の提出を省略できる仕組みがあります。また、同じ受入れ機関で複数人を同時に申請し、内容が同一である一部資料について、申請人数分の提出を省略できる取扱いもあります。
継続案件では、前回申請との変更点を管理することが重要になります。
「どこまで登録支援機関が準備するか」を最初に決められる
例えば、登録支援機関側で次の資料を準備し、行政書士へ引き継ぐ運用が考えられます。
- 外国人本人の基本情報・現在の在留資格
- 技能試験・日本語試験・技能実習歴等の資料
- 特定技能雇用契約・労働条件関係資料
- 支援委託契約・支援計画に必要な情報
- 受入れ企業から回収した会社関係資料
- 分野別資料
行政書士側で資料を確認し、不足・矛盾・追加確認事項をまとめて返す形にすると、双方の作業が整理しやすくなります。
特定技能の申請でよくある「書類があるのに進まない」原因
外国人本人の経歴と申請内容がつながっていない
技能実習歴、過去の在留資格、転職歴、試験免除の根拠などを確認しないまま書類だけ集めると、申請段階で説明が必要になることがあります。
企業側資料の年度・納付状況が合っていない
税・社会保険・労働保険資料は、「書類が1枚ある」ことだけではなく、申請時点で必要な対象期間・内容を満たしているか確認します。
雇用条件と申請書の数字が一致していない
雇用契約書、労働条件書、報酬説明、申請書、企業側資料の数字や記載内容に不整合があると、確認が必要になります。
協力確認書や協議会が後回しになっている
申請書本体だけを先に完成させても、自治体への協力確認書や分野別協議会への加入・証明書取得が申請前に必要な場合があります。
登録支援機関と受入れ企業の認識が一致していない
「この書類は登録支援機関が作ると思っていた」「会社が出すと思っていた」という役割のズレは、実務上よく起こります。
案件開始時に、誰が何を準備するかを一覧化しておくことが重要です。
許可後も終わりではありません|定期届出・随時届出
定期届出は現在「年1回」
2025年4月1日から、特定技能所属機関による定期届出は四半期ごとから年1回へ変更されました。
対象期間は毎年4月1日から翌年3月31日までで、翌年度の4月1日から5月31日までに提出します。対象期間中に1日でも特定技能外国人との雇用関係があれば、原則として届出対象になります。
随時届出は別に必要です
雇用契約の変更・終了、支援計画の変更、登録支援機関との支援委託契約の締結・変更・終了、受入れ困難、不正行為等については、随時届出が必要となる場合があります。
例えば、登録支援機関との支援委託契約を新たに締結・変更・終了した場合は、特定技能所属機関から所定期間内に届出を行います。
最新の届出様式・記載例は、出入国在留管理庁「特定技能制度における各種届出の記載方法・Q&A等」で確認できます。
2027年4月から支援体制の要件が変わります
2027年4月1日から、1号特定技能外国人への支援体制に関する要件が改正されます。
主な改正点として、支援を行う事業所ごとの支援責任者・支援担当者の常勤配置、支援業務に従事できる者の範囲、支援責任者の養成講習、支援担当者の人数基準などが示されています。
現在すでに登録支援機関として活動している場合や、これから登録・更新を予定している場合には、2027年4月以降の要件も見据えて人員体制を確認しておく必要があります。
詳細は、出入国在留管理庁「1号特定技能外国人への支援体制に係る要件の改正について」をご確認ください。
2026年10月1日から在留資格変更・更新の手数料が変わりました
本記事公開日の2026年10月1日から、在留資格変更許可・在留期間更新許可の手数料制度が改定されました。
変更・更新の手数料は、審査の結果として許可される在留期間によって異なります。また、オンライン申請では窓口申請と金額が異なる区分があり、さらに決済手数料が必要です。
| 許可される在留期間 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 3月以下 | 10,000円 | 10,000円+決済手数料 |
| 3月超6月以下 | 18,000円 | 15,000円+決済手数料 |
| 6月超1年未満 | 25,000円 | 21,000円+決済手数料 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円+決済手数料 |
| 1年超3年未満 | 48,000円 | 42,000円+決済手数料 |
| 3年以上5年未満 | 64,000円 | 56,000円+決済手数料 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円+決済手数料 |
オンライン申請の決済手数料は、現在330円または550円です。2026年9月30日までに受け付けられた申請については、許可が10月1日以降となっても改定前の手数料が適用されます。
在留資格を変更せず、現在の活動をそのまま継続する場合の更新手続については、「在留期間更新|勤務先・仕事内容に変更がない場合の必要書類と申請方法」で詳しく解説しています。
当事務所の行政書士報酬については、料金表をご確認ください。
石川県・金沢市で特定技能の申請をご検討の企業様・登録支援機関様へ
特定技能1号の在留資格申請は、外国人本人の申請書だけを作成する手続ではありません。
本人の在留歴・技能要件、受入れ企業の適格性、雇用条件、支援計画、登録支援機関との委託関係、自治体との連携、分野別基準まで確認し、それぞれの資料を一つの申請として整合させる必要があります。
行政書士ピース法務事務所では、石川県・金沢市を中心に、受入れ企業様からの直接のご依頼だけでなく、登録支援機関様からの特定技能在留申請の継続的なご相談にも対応しています。
代表行政書士の経歴や外国人材関連業務への取組については、代表あいさつをご覧ください。
このようなご相談に対応しています。
「初めて特定技能外国人を受け入れるので、申請全体を整理してほしい」
「登録支援機関として、在留申請部分を行政書士へ継続して依頼したい」
「複数名の申請について、必要書類の回収方法から相談したい」
「技能実習・特定活動から特定技能への変更申請を依頼したい」
「入管へ出す前に、企業側・外国人側の書類に不足がないか確認してほしい」
参考にした主な一次資料
- 出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」
- 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」
- 出入国在留管理庁「地域の共生施策に関する連携Q&A」
- 出入国在留管理庁「特定技能制度における各種届出の記載方法・Q&A等」
- 出入国在留管理庁「令和8年10月1日付け在留許可手数料の額の改定等について」
※本記事は2026年10月1日時点の公表情報をもとに作成しています。特定技能制度の提出書類、運用要領、分野別要件、届出様式、手数料等は改正される場合があります。個別の申請では、必ず申請時点の最新情報と具体的事情をご確認ください。


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